アンコンシャス・バイアスをクリエイティブ発想で超えていけ!
令和3年 内閣府男女共同参画局による「アンコンシャス・バイアスに関する調査」結果によると、職場シーンでは「育児中の女性社員は重要な仕事を担当すべきでない」という意識が男女ともに最も高く、家庭内のシーンでは「家事・育児は女性がすべき仕事」という意識が男女共に上位にきています。
昨今、聞くようになったアンコンシャス・バイアスという言葉。
これは日本語訳すると「無意識の思い込み」と表現されます。
御社ではいかがでしょうか?
社内に何気なく存在する無意識の価値観の存在について考えてみたことはあるでしょうか。
■こんなにある、偏った価値観
事実、私たちは育った家庭環境や1日のうち長い間を過ごす職場の環境に影響されて「価値観」が出来上がります。
〝無意識にできあがってしまう〟価値観というのは厄介で、それらの多くが個人の、チームの、御社の、「自由」を奪ってしまうことも多くあります。
万一、社内にそういったことがあるケースは、人事研修などの実施も有効ですが、
〝個々人の違いは当たり前に存在しているものである〟ということを、仲間との交流や社外活動、家庭生活において、いかに気づけるかということが最も大切です。
それでは、「アンコンシャス・バイアス」の代表的な例をあげてみます。
①ステレオタイプ
人の属性をもとに先入観や固定概念で決めつけてしまう
②正常性バイアス
問題があるのに「私は大丈夫」と思い込んでしまう
③確証バイアス
自分の考えや経験則を正当化する情報ばかりを探してしまう
④権威バイアス
権威のある人の言うことは間違いないと思い込む
⑤集団同調性バイアス
周りと同じように行動しようとする
実はこれらは私たちの日常によくあることです。それが経験や環境の中で引き起こされてしまうのです。
ごくごく何気ない職場内での会話やり取りで、
「仕方がないことかなと思って諦めていた。」
「そういえば、ずっと我慢していた。」
意外にも、あったりしませんか?
特に日本では⑤の「周りと違っていると良くないと無意識に思ってしまう」「協調しないと嫌われる」などの傾向があり、心理的な安全性がないケースがよく見受けられます。
では、上記のようなバイアスに1つでも気づけたら、それを今後どのようなコミュニケーションを創っていくことで解決できそうか一緒に考えてみましょう。
- 「声がけ」をすることで、意識を変える方法はないでしょうか?
- 繰り返し使える「習慣」を作り、意識を変える方法はないでしょうか?
- こんな「ツール」があったら助かる!というものはないでしょうか?
クリエイティブな解決法があれば、ぜひシェアしあってみたいものですね。
例えば、こんな例です。
“大手メーカー勤務の27歳独身女性Aさんは、年度末で忙しく憂鬱になっている時期に、職場の上司に「独身だし君はもっと仕事できるでしょう、気楽だし」と、無神経な一言を言われてしまいます。
そんな時、彼女は一瞬イラっとしたものの何も言えず、グッと言いたいことを飲み込んでしまいました。”
※上記のようなシチュエーションで、あなた(御社なら)どのようにお互いの立場を理解させ、効果的にコミュニケーションしますか?ぜひご一緒に考えてみてください。
例 :
- 1on1ミーティングをこまめに開催する
- これは違う!と思った時、咄嗟に使える、チャットスタンプを作成する
- 匿名で落書きできるカフェテリアコーナーを作り社内報で意見を共有
結果:
- スタッフ同士理解できていないことを言葉にして伝え合えるようになった。
- 「Aさんはそう思うんだね」など、異なる主張も会議で聞いてもらいやすくなった。
- 違いを認める意識が生まれ、チームのコミュニケーションがよくなった。
■クリエイティブには可能性がある!
このように日常の至る所に存在する偏った思い込みの価値観に気づいたら、それらへのアプローチとして、気づきを与えたり、乗り越えていく方法がみつかると良いですよね。
やらされ感のあるものではなく、楽しんで学べたり、ワクワクするものだと社内でのコミュニケーションもしやすいかもしれません。コピー、映像、グラフィック、クリエイティブで意識を変えていける可能性があるのです。
「当たり前を、当たり前ではないかも?」と疑うこと・・・。
そのためには、クリエーター自身も様々な体験を通して異質なものと触れ合い、当事者のことを学び、それらを取り巻く環境を知り、「誰一人として置き去りにしない」姿勢を持てることが理想です。
そして、社内・外の様々なメンバーで活発に意見を交わして自分の先入観を取り払う習慣を作っていくことも有効です。
いかがでしたか?自身が持つ「思い込み」の価値観。特に女性は、仕事と家庭での立場の差、独身、既婚、出産の有無などライフプランによっても思い込みを持たれてしまうこともあるかもしれません。日本では「男らしさ」や「女らしさ」という“らしさの呪縛”もあったりします。様々な差別や偏った見方をアイデア、広い視野で超えていきたいものです。
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TEXT BY コミュニケーションデザイン本部 N
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